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入会拒否の判例ございませんか。 投稿者:匿名希望 投稿日:2011/10/13(Thu) 16:40:43 No.10160
 入会を拒否されて裁判となった事例は、
過去ございませんでしょうか。

 双方の主張も情報があれば幸いです。
未だ判例無しとの情報でも結構です。

 どうぞよろしくお願い致します。

Re: 入会拒否の判例ございませんか。 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2011/10/14(Fri) 16:37:43 No.10162
匿名希望 さん

 今のところ、NPO法人への入会拒否に関する判例は見当たりません。
ご参考までに、いくつか類似の事案についての判例を紹介します。

1、 平成19年8月30日大阪高等裁判所判決
  ゴルフ場の法人会員権の譲渡について理事会の承認を必要とする会則が設けられている場合につき,従前の登録記名者が引き続いてゴルフ場を利用するために名義変更申請をした場合,客観的に見て会員の適格性を欠くと判断することが当然として是認されるような特段の事由がない限り,承認を拒絶できないとした事例
(掲載誌)  判例タイムズ1280号239頁 判例時報2001号38頁

2、平成14年1月23日東京高等裁判所判決
  私人である社団ないし団体には結社の自由が保障されているから、新たな構成員の加入条件は、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定することができるものであって、結社の自由を制限してまでも相手方の平等の権利を保護しなければならないほどに、相手方の平等の権利に対して重大な侵害がされ、その侵害の態様、程度が憲法の規定の趣旨に照らして社会的に許容しうる限界を超えるといえるような極めて例外的な場合に限り、新たな構成員の加入を拒否する行為が民法90条により無効となり、民法709条の不法行為にあたるものというべきであるところ、私的な社団としてのゴルフクラブの構成員の加入を国籍によって制限することは、そのような例外的な場合に該当するものということはできない。
 (掲載誌) 判例時報1773号34頁

3、平成11年7月26日東京地方裁判所判決
  社団法人たる区医師会が医師の入会を拒絶したことが当該医師に対する不法行為にあたらないとされた事例
 (掲載誌) 判例タイムズ1029号243頁

4、平成7年3月23日東京地方裁判所判決
  在日韓国人につき、日本国籍を有しないことを理由にゴルフクラブの法人会員の登録者への変更申請を承認しなかったことは、憲法一四条の規定の趣旨に照らし、社会的に許容しうる限界を超えるものとして違法であるとされた事例
 (掲載誌) 判例タイムズ874号298頁 判例時報1531号53頁

5、昭和56年9月9日東京地方裁判所判決
  外国人及び帰化して相当年限を経ていない者を入会不適格とするゴルフクラブの会則取扱細則が公序良俗に反しないとして、日本に帰化して2年9か月を経過したもと在日韓国人に対し同細則に基づいてされた同クラブの入会拒否を違法でないとした事例
 (掲載誌) 判例タイムズ460号120頁 判例時報1043号74頁
             弁護士 浅野晋
Re: 入会拒否の判例ございませんか。 投稿者:匿名希望 投稿日:2011/10/14(Fri) 18:53:41 No.10164
 浅野晋様 
早速多数、誠にありがとうございました。
大勢の参考になったと思います。

 出来れば下記 入会拒否ウルトラCも関心が有りますので
ご意見いただければ幸いです。
/wforum/wforum.cgi?mode=read&no=10151&oya=10151&page=0

 別件かも知れませんが、会社の場合、解雇などの
排除理由は、社員が“セクハラした”
“会社に迷惑な行為をした。又は損害を与えた。”等 
嘘とも言い切れない主観的、恣意的論理が頻繁に用いられます。 

 実際問題、特定の入会希望者を排除したい場合、上記同様
微々たる事を大げさに“活動を妨害した”等 拒否理由を
付ければ裁判までは誰も起こさない為
実態として不当に偏向した組織、
仲良しグループ、宗教的団体を形成できるのでは
無いでしょうか。 

 NPO法人の趣旨に大きく反し政府も問題にしている
質低下の要因と思われます。
Re: 入会拒否の判例ございませんか。 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2011/10/15(Sat) 14:02:21 No.10167
匿名希望 さん

 発想を変えて考えてみましょう。

 多様な団体の中には、匿名希望さんのいう「不当に偏向した組織、仲良しグループ、宗教的団体」等々があると思います。
 しかし、そんな団体は、社会の中での“新陳代謝”に任せておけばいい(つまり放っておけばいい)のです。

 そんなことより、何か実現したい目的を目指す団体を自分でつくってしっかり活動したり、あるいはそこまでのエネルギーを傾けることができない場合は、賛同できる目的を持ち、ちゃんとした活動をしている団体を見つけて、それに「参加」することが大切です。

 「参加」するといっても、活動主体となって動き回るだけが「参加」ではありません。会費だけ払う会員でも、会の活動費の一部を担っているのですから、立派な「参加」です。
 私は、こういった意味で、様々な団体や活動に「参加」しています。
 
 団体を運営してみると分かりますが、特に活動に参加してくれなくても、毎年きちんと会費を支払ってくれる会員の存在は、大変にありがたいのです。

 匿名希望さんも、いろいろな形で、いろいろな活動に“参加”なさることを考えてみてください。

           弁護士 浅野晋
Re: 入会拒否の判例ございませんか。 投稿者:匿名希望 投稿日:2011/10/16(Sun) 18:07:41 No.10173
>ちゃんとした活動をしている団体を見つけて、
>それに「参加」することが大切です。

 返信誠にありがとうございます。

NPO法人では有りませんが、私は企業も含め多くの(ボランティア的)組織に参加して来ました。
しかし、事前に『ちゃんとした活動しているか否か』が解かる
組織の方が稀で、入ってみてブラックである事を知るのが世の常だと思います。

なぜなら“嫌ならば入るな又は辞めろ”と言う考え方をする人が
多数派で、内外から改善努力しようとする先人達が皆無である為です。

私が指摘したため、悪質さが見えて無かったと感謝される事もあります。
 
 不当な組織が正義感づらをしていた場合多くの人が騙され利用されるであろう未来は予測出来ます。
不作為の作為は“犯人蔵匿”的であり世の迷惑を放置する事は出来ないと考えます。
NPOを過剰推進する政府に根本的問題があるのですけど。

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