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定款内容と理事長の権限について 投稿者:安藤 投稿日:2012/02/13(Mon) 14:52:53 No.10357
 定款には理事の職務と、理事長の職務について記されており、団体により2種類の定款をよく見かけます。私が理事として参加する団体は、①理事長は、この法人を代表し、その職務を統括する・・となっています。他で見る定款では、②理事長は、この法人を代表し、その職務を総理する・・とあります。①統括する・②総理するの権限の違いがありますか?。参加しているNPOで理事を務めていますが、時々、理事から出た意見を理事会に諮らずに、理事長と副理事長で「イエス・ノー」を決め、理事を無視することがちょくちょくあります。この団体はオーナー理事長でもなく、特に力を発揮する理事長でもありません。自分の好み・考えで運営に関することを決めてします権限はあるのでしょうか?
Re: 定款内容と理事長の権限について 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2012/02/19(Sun) 07:58:39 No.10363
安藤 さん

「その職務を統括する」と「その職務を総理する」とで違いはありません。いずれも、団体の事務の全般について,その執行にあたる顕現と責任があるという趣旨です。

 団体の事務は、当該事務をするのかしないのか、するとしてどのようにするのかという決定がなされ、次にその決定された事務を執行するという流れになります。

 定款の決め方にもよりますが、通常は総会や理事会が業務の決定権を有し、理事長はその執行をする機関とされています。

 ただ、執行機関といっても、具体的執行をするばあい、さまざまの“決定”をしなければなりません。
 例えば、総会や理事会で、当該団体の施設を建設することが決まったとします。その場合、理事長は理事会に諮りながら、どのような設計にするのか,費用はどうするのか、どこに発注するのか……等々、さまざまな決定をしなければなりません。

 執行行為において、どの範囲で執行者(理事長)に決定権があるのかは、定款の定め方や総会・理事会が決定した業務の決定の仕方によります。

 「理事から出た意見を理事会に諮らずに、理事長と副理事長で『イエス・ノー』を決める」ことが許されるかどうかは、それが、理事長の業務執行権の範囲内といえるかどうかという問題であり、
それは定款の定め方や総会・理事会が決定した業務の決定の仕方によることになります。

      弁護士 浅野晋
Re: 定款内容と理事長の権限について 投稿者:みやたけ 投稿日:2012/02/19(Sun) 17:44:09 No.10366
方法によっては独裁も可能で、
理事長の売名行為など不当利用したり
カルト化も容易と言う事になりませんか。
Re: 定款内容と理事長の権限について 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2012/02/20(Mon) 16:35:59 No.10367
みやたけ さん

NPO法人を含め、「法人」という制度は、人々の社会的活動をしやすくするための「道具」です。その「道具」の使い方によっては、有益にもなりますし有害にもなります。
 有益な道具となるのか有害な道具となるかは、道具自体の問題ではなく,それを使う側の問題です。
 包丁でおいしい料理を作るのか,人を刺してしまうのかは、包丁の問題ではなく,それを手にした人の問題というわけです。

 みやたけさんが指摘しておられるような事柄は、法人制度に伴う「病理現象」です。そのような病理現象の発生を阻止し、または発生した病理現象を治癒させるのは、当該団体の構成員(社員)にほかなりません。
 それが功を奏せず病理現象が悪化すると、ついには「自然淘汰」されるということになってしまいます。
 残念なことですが、社会の新陳代謝と考えるほかありません。

                      弁護士 浅野晋
Re: 定款内容と理事長の権限について 投稿者:みやたけ 投稿日:2012/03/08(Thu) 23:45:27 No.10391
浅野晋さん ありがとうございました。

>当該団体の構成員(社員)にほかなりません。

おっしゃるとおりだと思います。

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