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借入金について 投稿者:NPO会計初心者 投稿日:2003/07/08(Tue) 11:24:00 No.2450
NPOを立ち上げた際、団体で200万円の借金をしました。返すこともなく決算をむかえ、
事業年度も変わったのですが、前事業年度の借金は次年度も負債として計上できるのでしょう
か?ちなみに青色申告等はしてません。
Re: 借入金について 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2003/07/08(Tue) 15:13:00 No.2451
NPO会計初心者さん

> NPOを立ち上げた際、団体で200万円の借金をしました。返すこともなく
> 決算をむかえ、事業年度も変わったのですが、前事業年度の借金は次年度
> も負債として計上できるのでしょうか?ちなみに青色申告等はしてません。

翌事業年度で仮に50万円だけ返済したとすれば、収支計算書の支出の部に
借入金返済支出50万円、貸借対照表及び財産目録の負債の部に、借入金
150万円と記載します。

もし翌事業年度も全く返済できなかったとしたら、収支計算書には何も記載
せずに、貸借対照表及び財産目録の負債の部に借入金200万円と記載します。

      公認会計士・赤塚和俊
Re: 借入金について 投稿者:NPO会計初心者 投稿日:2003/07/15(Tue) 19:35:00 No.2452
御返信ありがとうございました。

「収支計算書の支出の部に借入金返済支出50万円」についてですが、収支計算書の支出の部
ということはいわゆる「費用(経費)」として処理するということでしょうか。自分は収支計
算書(損益計算書)というのは、借入金などの負債は表記されず、費用と収益のみの書類と認
識しているのですが・・・
帳簿上は短期借入金の支出でつけて、それは収支計算書にははんえいされず、貸借対照表のみ
にはんえいされるということではまちがいなのでしょうか

とても初歩的なことでお恥ずかしい限りですが御教授願います
Re: 借入金について 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2003/07/17(Thu) 12:22:00 No.2453
NPO会計初心者さん

説明不足で申し訳ありませんでした。NPO法人の収支計算書は定義が
ないので色々な考え方があり得るのです。

企業の損益計算書と同じというやり方もあります。その場合はおっしゃる
ように、借入金の返済は収支計算書上には記載されません。

収支計算書の基本的な構造は
収入の部=収入合計+前期繰越資金
支出の部=支出合計+翌期繰越資金
です。
当期収支差額(収入合計-支出合計)+前期繰越資金=翌期繰越資金
という構造でも同じことです。
問題は繰越資金の範囲です。
これを現金預金ということにすれば、借入金や預り金などの収支もすべて
収支計算書に計上することになります。
そうではなくて、すべての資産負債と解釈すると収支計算書は企業会計の
損益計算書と同じものになります。
その中間的な考え方に、仮払金や預り金のような経過勘定は資金の範囲に
含めるが、固定資産や借入金は資金の範囲に含めないというものもありま
す。旧経済企画庁の「手引き」は、この考え方です。
どれも間違いではありませんが、一度決めたやり方をむやみに変更するこ
とはできません。また、注記等で資金の範囲を明確にしておくことも必要
だと思います。

            公認会計士・赤塚和俊
Re: 借入金について 投稿者:NPO会計初心者 投稿日:2003/07/18(Fri) 14:51:00 No.2454
度々、初歩的なことをすみません。まだちょっと混乱がありまして。

>問題は繰越資金の範囲です。
>これを現金預金ということにすれば、借入金や預り金などの収支もすべて
>収支計算書に計上することになります。

これは先日、先生にお答え頂いた
>翌事業年度で仮に50万円だけ返済したとすれば、収支計算書の支出の部に
>借入金返済支出50万円、貸借対照表及び財産目録の負債の部に、借入金
>150万円と記載します。
>もし翌事業年度も全く返済できなかったとしたら、収支計算書には何も記載
>せずに、貸借対照表及び財産目録の負債の部に借入金200万円と記載します。

というやり方ということになるのでしょうか

また、繰越資金として借入金の収支を収支計算書にいれても法人税の計算をするときは、
借入金の収支は除くということでよろしいのでしょうか?
「資金」の概念がよく分かっていないのですが、借入金を繰り越すことによって、
「他人のお金」だったのが「自分のお金」になってしまうということではないですよね。
Re: 借入金について 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2003/08/01(Fri) 08:00:00 No.2455
NPO会計初心者さん

> >問題は繰越資金の範囲です。
> >これを現金預金ということにすれば、借入金や預り金などの収支もすべて
> >収支計算書に計上することになります。
>
> これは先日、先生にお答え頂いた
> >翌事業年度で仮に50万円だけ返済したとすれば、収支計算書の支出の部に
> >借入金返済支出50万円、貸借対照表及び財産目録の負債の部に、借入金
> >150万円と記載します。
> >もし翌事業年度も全く返済できなかったとしたら、収支計算書には何も記載
> >せずに、貸借対照表及び財産目録の負債の部に借入金200万円と記載します。
>
> というやり方ということになるのでしょうか
----------------------------------------------------------------------
そうです。
----------------------------------------------------------------------
>
> また、繰越資金として借入金の収支を収支計算書にいれても法人税の計算をするときは、
> 借入金の収支は除くということでよろしいのでしょうか?
----------------------------------------------------------------------
その通りです。
----------------------------------------------------------------------
>
> 「資金」の概念がよく分かっていないのですが、借入金を繰り越すことによって、
> 「他人のお金」だったのが「自分のお金」になってしまうということではないですよね。
----------------------------------------------------------------------
もちろんそうです。ですから、収支計算書をどういう考え方(資金の範囲)で
作ろうとも、貸借対照表に表示する資産や負債には全く関係ないのです。資金
の範囲とは、収支計算書の次期繰越収支差額の内訳のことと考えてください。

繰越資金を現金預金だけと定義すれば、借入金の収入や返済支出も収支計算書
に載せないと、収支のつじつまが合わなくなります。一方、借入金も資金を構
成すると定義すると、借入金の収支は収支計算書に載せる必要はないのですが、
場合によっては、繰越資金がマイナスということもあるのです。借入金は負の
資産ですから(現金預金-借入金)が繰越資金になります。

            公認会計士・赤塚和俊
Re: 借入金について 投稿者:NPO会計初心者 投稿日:2003/09/01(Mon) 19:08:00 No.2456
お返事おくれてしまい申し上げございません。
すっきりしました。何度も御指導ありがとうございました。またよろしくお願いします。

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