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複数年度にまたがる会費の処理 投稿者:ねも 投稿日:2003/07/09(Wed) 08:08:00 No.2470
複数年度にまたがる会費の、決算時の処理についておたずねします。

私が社員になっているNPO法人では会費は「年間1万円」と定めている
のですが、設立時に当座の活動資金が必要なことから、理事は複数年
分の会費を前払いしました。

この場合、支払われた年度の決算時には
 A.支払われた全額をその年度の会費収入に計上する。
 B.その年度の会費収入には1年分だけを計上して残りは「預かり
   金」などとして計上、次年度以降、当該年度になってから会
   費収入に計上していく。
の、いずれの方法をとるべきでしょうか?

その年度の収支を正確に把握するためにはB方式の方が適切かと思
いますが、今回のケースに限らず「次年度分を前年度中に先に支払っ
ておく」といったケースを全てこのように処理するのは煩雑になること
も予想される(第3者を介するなどして会費を受け取り「この会費はど
ちらの年度の分なの?」などすぐに判断できないケースはありそう)の
で、少なくとも経理上はA方式で発生年度に計上していく方が簡便であ
るようにも思え、迷っています。

とりわけお聞きしたいのは、上記運営上の判断の前に必要になってく
る一般的ルールについてです。
 1.そもそも法で規定された「正規の簿記の原則」から言えば、
   どちらが適切なのでしょうか?
 2.法規定上はどちらでも選べる場合でも、一般的なアカウンタ
   ビリティから考えるとどちらが適切でしょうか?
 3.このA方式とB方式のいずれをとるか途中で変更することは、
   NPO法第27条3項の「会計処理の基準はみだりに変更しない
   こと」という規定に抵触すると言えるでしょうか?

以上、基本的な事項なのかもしれませんが、お教えいただけると幸い
です。よろしくお願いします。
Re: 複数年度にまたがる会費の処理 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2003/07/09(Wed) 13:10:00 No.2471
ねもさん

>  1.そもそも法で規定された「正規の簿記の原則」から言えば、
>    どちらが適切なのでしょうか?

もちろん「正規の簿記の原則」から言えばA方式がより正確だということに
なります。ただしその場合、翌年度以降分の入金(預り金ではなく前受金と
言います)だけでなく、未納分(未収金)も計上する必要があります。

実際には多くのNPO法人はA方式はとっていません。前受金はともかく、
未収金については結局入金しないことが多いからです。そうすると毎期徴収
不能等の処理をしなければならず、いつをもって徴収不能と判断するかなど
さらにややこしい問題が生じるからです。

>  2.法規定上はどちらでも選べる場合でも、一般的なアカウンタ
>    ビリティから考えるとどちらが適切でしょうか?

B方式であっても、決算報告において一括して表示するのではなく、何年度
分会費がいくら入金というふうに明確に表示すればアカウンタビリティ上の
問題はないと思います。

>  3.このA方式とB方式のいずれをとるか途中で変更することは、
>    NPO法第27条3項の「会計処理の基準はみだりに変更しない
>    こと」という規定に抵触すると言えるでしょうか?

これも変更しないことが望ましいのは当然ですが、そのために多大な事務処
理の手数がかかるのであれば本末転倒でしょう。変更した年度の計算書類に
従来の計上方法ではいくらでその差額がいくらあると注記する等の方法によ
り比較可能性を保てば構いません。
ただし数年も置かずに元の方式に戻す等の「みだり」な変更は慎むべきです。

            公認会計士・赤塚和俊
ありがとうございます 投稿者:ねも 投稿日:2003/07/10(Thu) 05:35:00 No.2472
赤塚さん

 さっそくの明快なお答え、ありがとうございます。
 他のメンバーとも共有して、適切な方法を決めたいと思います。
Re: 複数年度にまたがる会費の処理 投稿者:よし 投稿日:2003/07/10(Thu) 23:34:00 No.2473
1.そもそも法で規定された「正規の簿記の原則」から言えば、
  どちらが適切なのでしょうか?

> もちろん「正規の簿記の原則」から言えばA方式がより正確だということに
> なります。ただしその場合、翌年度以降分の入金(預り金ではなく前受金と
> 言います)だけでなく、未納分(未収金)も計上する必要があります。
>
すみません。B方式の間違いでしょうか?

当方の読み間違いでしたら申し訳ないのですが、何度読んでも意味が分からないのです。
Re: 複数年度にまたがる会費の処理 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2003/07/11(Fri) 07:40:00 No.2474
よしさん

> 1.そもそも法で規定された「正規の簿記の原則」から言えば、
>   どちらが適切なのでしょうか?
>
> > もちろん「正規の簿記の原則」から言えばA方式がより正確だということに
> > なります。ただしその場合、翌年度以降分の入金(預り金ではなく前受金と
> > 言います)だけでなく、未納分(未収金)も計上する必要があります。
> >
> すみません。B方式の間違いでしょうか?
>
> 当方の読み間違いでしたら申し訳ないのですが、何度読んでも意味が分から
> ないのです。

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ご指摘ありがとうございます。A方式とB方式を完全に逆に記述していました。
誠に申し訳ありませんでした。原文の下記の部分を引用しておくべきでした。

            公認会計士・赤塚和俊
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ねも> この場合、支払われた年度の決算時には
ねも>  A.支払われた全額をその年度の会費収入に計上する。
ねも>  B.その年度の会費収入には1年分だけを計上して残りは「預かり
ねも>    金」などとして計上、次年度以降、当該年度になってから会
ねも>    費収入に計上していく。
ねも> の、いずれの方法をとるべきでしょうか?

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