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設立発起人会 投稿者:西村 投稿日:2003/10/17(Fri) 10:47:00 No.2798
おはようございます。
お伺いしたいのですが、設立発起人会を行うのに特定の書類か何か(報告書など)が必要なのでしょうか。
よろしくお願いします。
Re: 設立発起人会 投稿者:シーズ・轟木 洋子 投稿日:2003/10/22(Wed) 17:16:00 No.2799
西村さん、

設立発起人会において決めておかなければならないことや、その発起人会の議事録を
作っておくなどの必要はありますが、行う以前については、法律で定められた書類は
特にありません。

ちょっと長くなりますが、設立発起人会について以前もご質問を受けたことがありま
したので、以下にその内容を転記しておきます。
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まず「設立発起人会」という言葉ですが、この言葉を用いずに「設立総会」と呼ぶ場
合もあります。新しく会を立ち上げて、これから社員(正会員)募っていこうという
時には「設立発起人会」、すでに任意団体として存在していて、法人格を取得しよう
という時には「設立総会」と呼ぶことが多いようです。

設立発起人会や設立総会が「必要」というのは、特定非営利活動促進法(NPO法)の第十
条に定められた提出書類のひとつに「設立についての意思を決定を証する議事録の謄
本」とあり、団体の意思として法人化を決定したという証拠が必要ということもあり
ますが、その他にも、この設立発起人会や設立総会は、法人になって運営していくに
あたっての「決めごと」を確認する重要な場です。

まず認証申請の際に提出すべきものを確認してみましょう。上記の議事録の謄本も含
めて、設立の認証を受けようとする時は、全部で11の書類を提出しなければなりま
せん。それらは以下のものです。
・認証の申請書
・定款
・役員名簿(役員の住所氏名、各役員の報酬の有無を記載したもの)
・各役員が成年被後見人又は被保佐人でなく、また暴力団との関係がないことなどについて誓約し、役員就任を承諾する書面の謄本
・役員のそれぞれの住所又は居所を証する書面として総理府令(又は条例)で定めるもの
・社員(正会員)のうち10人以上の氏名と住所又は居所を記載した書面
・宗教活動や政治活動などを主たる目的としないことなどを確認したことを示す書面
・設立趣旨書
・設立についての意思の決定を証する議事録の謄本
・設立の初年度および翌年度の事業計画書
・設立の初年度および翌年度の収支予算書

上記の全てを発起人会や設立総会で話し合って決める、というのもひとつの方法です。
しかし、最低限のことだけにとどめたいという場合、求められるのは次の事柄です。
①設立の意思を確認すること
②法人(団体)が宗教活動や政治活動などを主たる目的としないことなどを確認すること
③設立者を任命し、委任する権限の範囲を決めておくこと

多くの場合、③の設立者には、法人になった時に理事に就任予定の人がなったりする
ようです。この設立者へ委任する権限の範囲によっては、設立者が定款を作り承認し、
役員を決め、議事録を作成し、事業計画や収支予算書もつくることなどが可能になり
ます。
また、例えば定款の承認などを発起人会または設立総会でする場合でも、認証申請に
あたって微少な変更をしなければならないことがよくあるため、この場合の定款変更
の権限を設立者に委任する、としておけば、もう一度発起人会または設立総会を開催
するべきかどうか悩んだり、あとでトラブルになるのを避けることができます。

しかし、上記のように、設立発起人会(設立総会)での決定事項を最低限にとどめる
場合においても、その後のトラブルを防ぐために次のことは、この会において決めて
おいた方が良いと思われます。
ア)発起人会または設立総会の議事録を確認して署名するひとを決めておくこと
イ)法人の主たる事務所の所在地について、定款上は地番地まで書かず最小行政区画
  までにとどめる場合、発起人会または設立総会で地番地を決めたという記録を残
  しておくこと

ア)は、その議事録に書かれていることが、発起人や設立総会で決まったことを正確
に反映しているかどうかを確認するとともに、決定事項に関する争いが後日起こらな
いようにする目的があります。ですから、団体の運営にとって必要ですが、所轄庁へ
の申請に関して必要という訳ではありません。
イ)は、設立の登記時において、登記する主たる事務所住所が実際に法人の住所であ
ることを証明する添付書類が要求されますが、定款に地番地まで書いてない場合、発
起人会または設立総会の議事録に記された「事務所をその住所に置く」という地番地
まで含めた決議の記録が、その証明書類として使えるからです。

以上が、設立発起人会(設立総会)で最低限決めるべきことです。

ただ、法人設立前に、会の理念や方針を確認することはとても重要ですし、法人化は、
その団体の活動目的に向かって進むためのひとつのステップですから、法人化手続き
に入る前によく議論して、しっかりとしたビジョンを持つことが何よりも大切です。

そのことから考えると、本来、設立発起人会(設立総会)では次のことなどを決めて
おく必要があると思います。

1)設立意思の確認
2)設立者メンバーの確定
3)設立趣旨書の承認
4)定款の承認
5)2事業年度分の事業計画および収支予算の承認
6)設立当初の役員の選任
7)団体の主たる目的が宗教活動や選挙活動にないことの確認
8)設立代表者の選任と権限委譲について

これらの他にも、団体の名称、会費の額、その他、団体によっては他にもいろいろと
話し合うことがあることと思います。
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以上、参考になれば幸いです。

シーズ事務局・轟木 洋子
Re: 設立発起人会 投稿者:西村 投稿日:2003/10/23(Thu) 12:46:00 No.2800
ご返答、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

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