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NPOの課税 投稿者:川崎芳男 投稿日:2002/01/10(Thu) 19:09:00 No.743
「NPO法人ハンドブック」を読んでのNPO法人の課税に関しての質問です。
 27ページに会費・寄付金などは非課税。収益事業には普通法人並課税。とあり
 39ページでは法人税の欄で米一般の会社法人と同様とあります。
 NPO法人は税制の優遇措置も財団法人等より保護が薄い規定になっています、と26ページに
 あります。
 そこで、では現在では、未だまったく税制上の優遇措置がなく一般の会社法人と同じなの
 でしょうか?
 現在では会費・寄付金などにも課税されるのでしょうか?それとも26ページにある通り
 会費・寄付金などはすでに非課税なのでしょうか?
 さらにはもっと優遇措置が進んでいて収益事業には軽減税率がすでに適用されているので
 しょうか?
 まだ十分読んで理解できていなくて、ご迷惑な質問であるかもしれませんがお答え頂ければ
 ありがたく、宜しくお願いします。
 以上
Re: NPOの課税 投稿者:公認会計士・赤塚和俊 投稿日:2002/01/12(Sat) 11:15:00 No.744
川崎芳男さん

NPO法人が一般の会社と同じように課税されるというのは、法人税法で規定された
収益事業を営む場合です。収益事業を行っていなければ課税はありません。会費や
寄付金は、その収益事業の対価性のある会費や収益事業に充てるための寄付金であ
れば課税される収入となりますが、そうでなければ課税されることはありません。

これはNPO法人でも財団法人等でも同じですし、以前から変わっていません。NPO法
人が財団法人等よりも保護が薄いというのは、収益事業を行った場合にその利益を
本来事業のために充てた場合の損金算入が一部認められるかどうか、及び年間800
万円以上の利益があった場合の税率等について差があることを指しています。

NPO法人の場合は、収益事業を行う限りにおいては、その収益事業であげた収益に
ついては一般の企業と全く同様に課税されます。

                  公認会計士・赤塚和俊
Re: NPOの課税 投稿者:シーズ 松原 投稿日:2002/01/12(Sat) 12:11:00 No.745
川崎さま

ハンドブックの著者の松原です。

「NPO法人ハンドブック」を読んでいただきありがとうございます。

また、赤塚さんには、いつも迅速な回答ありがとうございます。

ハンドブックの記述について、若干補足説明しておきます。

>  27ページに会費・寄付金などは非課税。収益事業には普通法人並課税。とあり
>  39ページでは法人税の欄で一般の会社法人と同様とあります。

NPO法人への課税は、原則非課税ですが、税法上の収益事業を行った場合は、その事業
に関する収入は課税対象となります。
課税率は普通法人並みです。

つまり、税法上の収益事業への収入でない会費や寄附金は課税対象となりません。
税法上の収益事業を行った場合は、その事業への収入は、寄附金であろうと、会費であ
ろうと、課税対象となります。
このことは、赤塚さんが書いているとおりです。

ハンドブックの27ページの書き方は、そのことを読みとるには、ちょっと誤解を招く
表現をしているということは著者は理解していました。

一つは、ハンドブックがつくられたのは、NPO法ができた直後だったため、多くの市民
団体が、税法上の収益事業について知らず、むしろ会費や寄附金は課税されるのかどう
か、が関心になっていたこと。
また、その当時は、今と違い、税法上の収益事業を営んでいるといえるような市民団体
の数が圧倒的に少なく、また、会費や寄附金をその事業で、集めている場合も極めて少
なかったということもあり、分かりやすさを重視して27ページのような表現にしまし
た。

しかし、最近、収益事業に寄附金や会費を集める事例が増えてきていることもあり、最新
版では、27ページは「法人税法上の収益事業には普通法人並み課税」という表現に改め
たところです。

かえって分かりにくかったかもしれません。
著者としてお詫びいたします。

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