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NPO法人の解散決議について 投稿者:jun 投稿日:2011/03/26(Sat) 18:09:22 No.9731
現在、NPO法人の解散の検討を始めています。
解散する方向で、概ね合意は得ていると思いますが、解散を決議する総会の運営で不安があります。

私どもの定款には、総会の開催及び解散について下記の通り定めています。

(定足数)
総会は、正会員総数の2分の1以上の出席がなければ開会することができない

(議決)
総会における議決事項は、第25条第3項の規定によってあらかじめ通知した事項とする。
2 総会の議事は、この定款に規定するもののほか、出席した正会員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(表決)
各正会員の表決権は、平等とする。
2 やむを得ない理由のため総会に出席できない正会員は、あらかじめ通知された事項について書面若しくは電磁的方法をもって表決し、又は他の正会員を代理人として表決を委任することができる。
3 前項の規定により表決した正会員は、前2条(注:定足数及び議決)、次条第1項(注:議事録の出席者数)及び第51条(定款の変更)の適用については、総会に出席したものとみなす。
4 総会の議決について、特別の利害関係を有する正会員は、その議事の議決に加わることができない。

(議事録)
総会の議事については、次の事項を記載した議事録を作成しなければならない。
 (1) 日時及び場所
 (2) 正会員総数及び出席者数(書面若しくは電磁的方法による表決者又は表決委任者がある場合にあっては、その数を付記すること。)
 (3) 審議事項
 (4) 議事の経過の概要及び議決の結果
 (5) 議事録署名人の選任に関する事項
2 議事録には、議長及びその会議において選任された議事録署名人2人以上が署名、押印しなければならない。

(解散)
この法人は、次に掲げる事由により解散する。
 (1) 総会の決議
(2) 目的とする特定非営利活動に係る事業の成功の不能
(3) 正会員の欠亡
(4) 合併
(5) 破産
(6) 所轄庁による設立の認証の取消
2 前項第1号の事由によりこの法人が解散するときは、出席者数の4分の3以上の承諾を
  得なければならない。
3 第1項第2号の事由により解散するときは、所轄庁の認定を得なければならない。


Q1:(表決)の条文を読む限り、書面評決が可能である、という限定列挙のように理解しました。
   となると、本定款においては、解散の決議に関しては、書面表決及び委任状は無効、ということでしょうか?

所轄庁の模範定款を確認したところ、やはり上記のような文例になっています。
しかし、さまざまな所轄庁やNPO支援センターのwebサイトを見ても、解散の決議に関して、「書面評決及び委任は無効」との注意書きはありません。現時点で社員の参加度は低く、現在の総会も委任状を有効とするからこそ開催出来ている有様です。

ご教示いただけましたら幸いです。よろしくお願いします。

jun
Re: NPO法人の解散決議について 投稿者:弁護士 浅野晋 投稿日:2011/03/26(Sat) 20:38:38 No.9732
jun さん

 大丈夫です。
 「3 前項の規定により表決した正会員は、前2条(注:定足数及び議決)、次条第1項(注:議事録の出席者数)及び第51条(定款の変更)の適用については、総会に出席したものとみなす。」と定められているわけですから、委任状提出者及び書面表決者の数も総会の定足数に算定されます。

 定足数が満たされたばあい、解散の決議をすることができます。

 ただし、その場合の「出席者」については、確かにご質問の条文では、委任状提出者及び書面表決者は「出席者」数には算定しないようにも読めます。そうすると「出席者数の4分の3以上」というのが何人かという問題が出てきます。

 しかし、私としては、委任状提出者及び書面表決者は、定足数には算定されるのですから、当然「総会に出席したものみなされ」ているのであって、「3 前項の規定により表決した正会員は、前2条(注:定足数及び議決)、次条第1項(注:議事録の出席者数)及び第51条(定款の変更)の適用については、総会に出席したものとみなす。」との定めは、当然のことを注意的に定めた注意規定であると考えます。そして、この定めには、解散決議の場合が抜け落ちていますが、この定めは注意的な規定ですから、定めがないからといって、委任状提出者や書面表決者が「出席者」とみなされなくなる訳ではないと考えるわけです。
 
 なお、仮に解散決議の場合は、委任状提出者や書面表決者を「出生者」とみなさないとしても、総会の定足数の算定については「出席者」とみなしているわけですから、これらを算入して定足数を画満たせば、解散の決議をすることが可能です。

 但し、委任状提出者や書面表決者を「出生者」とみなさない場合は、「出席者の4分の3」という数字は、現実に総会に出席した人数から算出することになります。

                弁護士 浅野晋

Re: NPO法人の解散決議について 投稿者:jun 投稿日:2011/03/26(Sat) 21:27:53 No.9733
浅野さま


早速のご回答、誠にありがとうございます。
設立時に定款を作成した以来、定款をじっくり読みましたが、解散が含まれていないことに初めて気付きました。

ご指摘いただきましたように、書面評決も定足数としては有効であるので、

>なお、仮に解散決議の場合は、委任状提出者や書面表決者を「出席者」とみなさないとしても、総会の定足数の算定については「出席者」とみなしているわけですから、これらを算入して定足数を画満たせば、解散の決議をすることが可能です。

書面評決を含んで総会を有効とし、なおかつ解散の部分に関しては、議決数をクリアできる最少人数の参加を目標に総会への参加を呼びかけたいと思います。

この度はご教示頂き、誠にありがとうございました。

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