English Page
記事No 125
件名 Re: 任意団体からNPO法人への移行
投稿日 : 2000/07/13(Thu) 10:36:00
投稿者 シーズ・轟木 洋子
参照先
なかさま、

シーズの質問箱へ6/21にお尋ねいただいた件について、
お返事がすっかり遅くなっており、申し訳ありません。

しばらくホームページが休止していたことに加えて、この質問箱
がまだきちんと使える状態にないからです。新しい質問について
は、未だ受けることができません。現在、全力で復活のための努
力をしておりますので、もう少しお待ちください。

すでにいただいている質問については、返事を送ることが可能に
なりましたので、以下、お答えいたします。
---------------------

任意団体からNPO法人への財産の継承については、特に決まりは
ありませんが、団体内部で継承を明確にし、トラブルなどを避ける
ために、定款の「附則」に書いておいた方が良いと思われます。
附則は、時の経過によって目的を果たしてしまう事項がほとんどで、
施行期日や経過措置、設立当初の役員についてなどを定めたりします。

書き方としては、例えば次のようになります。
・ 当法人の設立により、○○○協会の会員及び一切の財産は、
  この法人が承継する。
・ 当法人設立当時における○○○協会事務局職員の給与は承継
  し、その勤務年数は通算する。
(詳細はシーズ・ブックレットシリーズNo.7「NPO法人定款作成マ
 ニュアル」をご参照ください)

上記の例では「当法人の設立により、…」としましたが、この設立
とは認証されて登記が終わった時点ということになります。よって、
この場合の財産目録は、申請する段階では「0」となります。
なかさんがご覧になった財産目録に「0」となっていたものが多か
ったのはこのためと思います。

ここで「当法人の設立により、…」という文言を入れなかった場合で、
申請時に任意団体の財産を財産目録に書くことも不可能ではありませ
んが、財産の承継について明確なルールが確立されていないので、
嫌がる所轄庁もあるようです。


この継承について、一切何も定款に書かなかった場合で、法人を設立
してから、ある任意団体の財産を引き継ぐ場合は、いわゆる「寄付」
を受けたのと同じ扱いになるようで、特に何もNPO法上では定めはあり
ません。しかし、もちろん、これは任意団体側の内部で、財産を寄付
するという確認がきちんとなされていることが前提です。
(ただし、「組合等登記令」では、毎事業年度が終わって2ヶ月以内に、
毎事業年度末日の試算総額について「変更登記」する必要があります。
詳しくは、この「質問箱」の80番をご覧下さい。)

なかさんがご覧になった収支予算書に、人件費を計上していた団体が
少なかったというのは、なんとも私には判断がつきかねます。ただ、
経済企画庁の平成11年度の調査によれば、有給常勤スタッフが0人と
したNPO法人が45.6%でしたから、まだ安定した人件費を支払えない
NPO法人が半分近いという事実はあります。NPO法の良い点のひと
つは、情報公開度が高いということです。なかさんが所轄庁で閲覧され
たのも、この情報公開性が法律で確保されているからですが、こうして
みんなが見ることで、自ずとしっかりした団体と、そうでない団体を、
みんなが自分の目で判断していくことが大事であると思っています。

では、またどうぞよろしく!

シーズ事務局・轟木 洋子

- WebForum -