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記事No 196
件名 Re: NPO法人として事業を行った場合の報酬について
投稿日 : 2000/11/15(Wed) 18:39:00
投稿者 公認会計士・赤塚和俊
参照先
鬼頭弘さん

 公的な機関からの委託にも、いくつかのパターンがあります。
 一番厳しい例は、見積もりの段階で細かい予算作成を要求され
それ以外の使途や流用を認めないというものです。余ったお金の
返還を要求されることもあります。NPO法人では通常はないパ
ターンです。
 次に厳しいのが、見積もりはいらないが精算報告は要するとい
うものです。この場合も予算が余ると問題になることがあります。
機関にもよりますが、10%程度の余剰は一般管理費として認め
られることもあります。逆に赤字であれば特に問題はありません。
 その他に、予算や精算報告はいらないが、文書での実施報告が
必要とか、それも不要などの場合があります。この場合は、収益
事業の判定に当たって、委託契約なのか、自主事業への助成金な
のかの区別が問われることがあります。
 講師の謝礼については、最も厳しい見積もりを要求される場合
以外は、制約は何もありません。委託金額を超過するような謝礼
を支払ったとしても、団体で超過分を負担するのであれば問題に
はなりません。
 法人税法の収益事業の判定については、委託契約は基本的には
請負業として収益事業に認定されます。例外が実費精算方式の場
合で、余剰金は返還するなどのケースが該当しますが、税務署長
の承認が必要です。
 あとは委託契約なのか助成金なのかの問題です。赤字が前提の
ような企画であれば実態としては助成金だと考えられますが、そ
れも微妙であれば契約の文言で決まることになります。
 なお、法人税法の収益事業であるかどうかに関わらず、講師謝
礼を支払った場合は源泉徴収義務が生じますのでご注意下さい。
             公認会計士・赤塚和俊

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