記事No |
: 2471 |
件名 |
: Re: 複数年度にまたがる会費の処理 |
投稿日 |
: 2003/07/09(Wed) 13:10:00 |
投稿者 |
: 公認会計士・赤塚和俊 |
参照先 |
: |
ねもさん
> 1.そもそも法で規定された「正規の簿記の原則」から言えば、
> どちらが適切なのでしょうか?
もちろん「正規の簿記の原則」から言えばA方式がより正確だということに
なります。ただしその場合、翌年度以降分の入金(預り金ではなく前受金と
言います)だけでなく、未納分(未収金)も計上する必要があります。
実際には多くのNPO法人はA方式はとっていません。前受金はともかく、
未収金については結局入金しないことが多いからです。そうすると毎期徴収
不能等の処理をしなければならず、いつをもって徴収不能と判断するかなど
さらにややこしい問題が生じるからです。
> 2.法規定上はどちらでも選べる場合でも、一般的なアカウンタ
> ビリティから考えるとどちらが適切でしょうか?
B方式であっても、決算報告において一括して表示するのではなく、何年度
分会費がいくら入金というふうに明確に表示すればアカウンタビリティ上の
問題はないと思います。
> 3.このA方式とB方式のいずれをとるか途中で変更することは、
> NPO法第27条3項の「会計処理の基準はみだりに変更しない
> こと」という規定に抵触すると言えるでしょうか?
これも変更しないことが望ましいのは当然ですが、そのために多大な事務処
理の手数がかかるのであれば本末転倒でしょう。変更した年度の計算書類に
従来の計上方法ではいくらでその差額がいくらあると注記する等の方法によ
り比較可能性を保てば構いません。
ただし数年も置かずに元の方式に戻す等の「みだり」な変更は慎むべきです。
公認会計士・赤塚和俊