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記事No 2634
件名 Re: 代表の変更
投稿日 : 2003/09/04(Thu) 16:00:00
投稿者 シーズ
参照先
なつさん、

ちっとも的外れな質問ではありません。とても重要な質問です。

NPO法人の場合、NPO法上でも、登記法令上でも、理事は全員が「代表権を有す
る者」です。これは、法律の上で、ということです。

しかし、実際の運営上では、定款などで「理事長」とか「代表」とかいう人を決める
こととし、他と契約をする時には、この人が実際には法人を代表して契約書を交わし
たりしていると思います。

ですから、ここでは法律上のことと、実務上のこととを分けて説明したいと思います。

まず、所轄庁への届けですが、役員の変更について所轄庁に届けるのは、新任、再任、
任期満了、死亡、辞任、解任、住所の異動、改姓または改名の場合です。
なつさんの場合には、任期の途中で、理事には変更がないものの、理事の中で理事長
が変更になった、ということですので、法律的には何も届け出る必要はありません。

しかし、そうはいっても、所轄庁はホームページで認証したNPO法人の一覧を公開
していますが、多くの所轄庁では代表者名も公開しています。また、所轄庁からさま
ざまな連絡がある時、その連絡先が代表者になっていることも多いと思います。
そのため、法律上は必要ないけれども、運営をスムーズにするためには、所轄庁にも
理事長が変更になったことを知らせておく方が良いと思われます。

次に法務局ですが、ここでも理事は全員代表権を有する者として登記されていますか
ら、なつさんの場合には「代表権を有する者」の変更登記は必要ありません。

しかし、書いていらっしゃるように印鑑についての手続きが必要です。

NPO法人の場合、おおざっぱに次の2つの法人印のタイプがあります。

(1)理事のうち、理事長とか代表という肩書きの人の個人の印鑑を法人印として登録している場合
(2)「NPO法人 ○○の会 理事長の印」などという、法人印を作って、これを法人印として登録している場合

なつさんの法人の場合は、どちらでしょうか。

東京法務局本局によれば、もし、(1)の場合であれば、現在の法人印の廃印手続きを
して、新たに法人印を登録しなおさなければなりません。

また、(2)の場合でも、「NPO法人 ○○の会 理事長の印」を使用する人、という
ことでこれまでの理事長が印鑑の届出をしている筈ですので、この部分の手続きが
必要です。新しい理事長の実印や印鑑証明書などが必要になるということでした。

いずれの場合も、管轄の法務局によって、若干必要となる書類が違うことがあります
から、管轄法務局に詳しくお問い合わせください。

なお、(1)の場合であれば、これまでさまざまな契約上で使ってきた法人印についても、
変更手続きをしなくてはならない場合があります。銀行には、たとえ法人名の口座で
あっても、印鑑の変更手続きが必要となるでしょう。

そのため、今後のことを考えると(2)のタイプの法人印を作っておくと、銀行などの印
鑑変更手続きをしなくてすむようになりますから、もし、なつさんの法人が、(1)のタ
イプであるなら、この機会に、「NPO法人 ○○の会 理事長の印」などという法人印
をお作りになっても良いかと思います。

さらに、この件でご質問がありましたら、どうぞお寄せください。

シーズ事務局・轟木 洋子

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