English Page
記事No 2684
件名 Re: 「理事会主導型定款」例の評価と「理事長主導型定款」例?
投稿日 : 2003/09/26(Fri) 19:36:00
投稿者 公認会計士・赤塚和俊
参照先
横からすいませんさん

> 逆に、先駆的運動をおこなう任意団体がNPO法人になる際は、理事は理事会で
> 決める方法でないと、うまくいかないと思います。
> たとえが適当かどうかわかりませんが、昔のアメリカの南部で黒人解放運動はか
> なり一般市民意識からすると異端でした。
> このような状況でたとえば奴隷解放運動のNPOがあったとすると、誰でも加盟
> できる一般会員によって理事が選ばれると、
> 改選のたびに理念のわからない人が理事になってしまいます。
> このような団体では、理事は、きちんと、国際的な活動にも参加して理念を学ぶ
> などしている、理念のわかっている人の中から選らばないとだめです。そのため
> には、理事会で理事を選ぶ方式がいいと思うのです。
>
> 同様に、社会問題に先駆的に取り組む団体は、その理念が国連などで認められた
> 国際的には当然の内容であっても、日本でも地方都市や町村では、住民の平均的
> 意識からすると、かなり異端であるということがあります。
> そういう活動を行うNPOは理事は理事会で選ばないとまずいと思います。

そう思われる団体がそうされることに関して、口をはさむつもりはありません。で
すから、法律でそれを禁止しなかったことはそれでいいと思っています。少なくと
も、法律や行政が決めることではありません。

でも私が相談を受けたらやはり「理事の選任は総会の権限にした方がいい」と言い
ます。それで法人が乗っ取られたらどうするのですか、という質問に対しては、会
員に理念を伝え切れなかった点は素直に反省して別のNPO法人をまた作りなさい
と言います。そういう面倒くさいことをしたくなかったら最初から法人格をとらず
に任意団体で運動することです。

そのような事態を予防する方法としては、定款の入会の定めにたとえば「理事会は、
前項の申込者が、本法人の目的に沿って第5条の事業に協力できると認める時は、
正当な理由がない限り、これを承認しなければならない。」のような文言を入れま
す。これは内閣府でも東京都でも福岡県でも認証されていますが、ただ、この規定
でも悪意の入会者を完全に防ぐことはできません。

これは余計なことかも知れませんが「その理念が国連などで認められた国際的には
当然の内容であっても、日本でも地方都市や町村では、住民の平均的意識からする
と、かなり異端であるということがあります。」とおっしゃるのには、そういう場
合でも常に国際的な通念が正しくてローカルな価値観が間違っているとは限らない
と言いたいと思います。

また、信念を持った少数者がいくら正しくても、地域の(運動の性格によって地域
の大小の違いはあるにしても)比較多数にそのことを納得してもらえない限り、最
終的な運動の目標の達成は困難ではないかと考えますが、いかがでしょうか。もち
ろん、時間がどれだけかかるかというのはまた別の問題です。

                公認会計士・赤塚和俊

- WebForum -