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記事No 312
件名 Re: 収益事業の収支
投稿日 : 2001/03/30(Fri) 08:12:00
投稿者 公認会計士・赤塚和俊
参照先
しんまいさん

区分経理の問題ですね。法人の決算にはもちろん法人のすべて
の収入とすべての支出を計上しますが、法人税法上の収益事業
を行っている場合は、その収益事業に関わる収支だけを抜き出
して申告を行います。

この時、収益事業とそれ以外の事業に共通の経費(家賃や電話
代など)があれば、合理的な基準でその経費を按分することに
なります。

合理的な基準とは、収入比、従事者の従事時間割合、事業に要
する事業所面積比などが考えられます。基本的に常識の範囲内
で毎年同じ基準が適用されていれば、それが認められます。

以上が原則です。ただし、実際には介護事業がほとんどという
ことであれば、介護事業以外の部分もそれに附随する事業と考
えられますので、すべての収入とすべての支出を収益事業の収
支として申告しても構いません。つまり法人全体の決算の数字
で法人税法上も申告するのです。

次に、助成金です。1の報酬の補助ですが、「残金がある」とい
うのはまずいのではないでしょうか。助成金というのは基本的
に年度単位で、その年度内に使い切るというのが原則だと思い
ます。交付要綱などを確かめてみて下さい。2の研修助成も同
じです。

要綱に反していると、最悪の場合、返還ということになります。
ただし、税法上は要綱違反かどうかは関係ありません。収入は
収入であり、もし返還ということになればその収入がなかった
ことになるだけです。年度をまたがったときは少し面倒なこと
になりますが、軽微な金額であれば返還した年度の支出(経費)
としても差し支えありません。

3の車椅子対応車については、車輌運搬具/助成金の仕訳で結
構です。車輌運搬具は毎年の減価償却費が経費になります。

4については、前に述べたように全体の収支をすべて収益事業
とみなすかどうかによって違ってきます。これはケースバイケ
ースですので、相談業務の規模や内容しだいです。

助成金は、法人税法上は助成対象の事業が収益事業かどうかだ
けの問題で、どちらの区分に入れるか間違えない限りあまり気
にする必要はありません。営業外収益かどうかという区分もど
ちらでもいいのです。そもそも収益事業だからといって「営業
収益」とか「営業外収益」のような企業会計の言葉を使わなけ
ればならないということもありません。

            公認会計士・赤塚和俊

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