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記事No 623
件名 Re: 課税について
投稿日 : 2001/11/12(Mon) 08:26:00
投稿者 公認会計士・赤塚和俊
参照先
長谷川 久 さん

「売電」が「物品販売業」かどうかは私も疑問です。しかし、「製造業」に
該当することは間違いありません(政令に「電気又はガスの供給業を含む」
とあります)。いずれにせよ法人税法上の収益事業です。
なお、刑法には「盗電」は窃盗罪に当たるという判例があります。

長谷川さんの質問外ですが、エコカーの運営会費が「運送業」になるかど
うかも疑問です。荻野さんの文章からは会費制の内容が不明なのではっき
りとは言えないのですが、乗車回数に関わらず年会費は定額とか、実際に
は利用しない支援者からも同じ会費を集めているというのであれば、収益
事業にはならない(対価性がない)と考えられます。ただし、乗車1回当
たりの会費(料金)が設定されていれば違ってきます。

寄附金は一般的には収益事業の収入ではありません。しかし、一部の税務
署では、CS神戸と同じように課税すると言われる事例が出ています。課
税するという理屈は、「行っている事業が100%収益事業であれば、収入も
100%収益事業の収入である」というものです。介護保険事業者にそういう
例があります。

しかし厳密に言えば事業内容が100%収益事業ではないことも多いはずで
す。たとえばCS神戸の場合でも、セミナー(有償でもほとんどの場合、
非課税)とか無償の啓蒙活動なども行っているのではないかと思います。
仮にそういう事業があれば、決算書を区分して(共通費も配分して)、寄
附金や会費は非収益事業のための収入と主張することが必要です。

もう一点、CS神戸の収入の中に「補助金」が含まれている点も、内容を
知りたいところです。仮に発電設備やエコカーのような固定資産を取得す
るための補助金であれば、収益事業の収入に含めなくても良いという通達
があります(法人税法基本通達15-2-12)。なおこの場合であっても、
減価償却費は補助金分も含めた取得価格をもとに計算して良いことになっ
ています(公益法人等に対する固定資産取得のための補助金は元入金に相
当するという考え方です)。補助金分の償却費を認めないとなると、結果
的に補助金にもなし崩しに課税することになるので、それを否定したもの
です。ただし、固定資産の取得ではなく、収益事業の経費を補填する補助
金であれば課税されます。

              公認会計士・赤塚和俊

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