記事No |
: 651 |
件名 |
: Re: 特定非営利活動の定義について |
投稿日 |
: 2001/11/26(Mon) 17:45:00 |
投稿者 |
: シーズ・轟木 洋子 |
参照先 |
: |
けんじさん、
いつもご投稿ありがとうございます。
「又は」と「及び」の違いについてですが、これはなかなか難しい問題のようです。
林修三氏の「法令用語の常識」(日本評論社)には、以下のように書かれています。
「『又は』は選択的接続詞、『及び』が併合的接続詞で、はっきり意味が違うから、
そのどちらを使うかということについて、『又は』と『若しくは』の場合のように
迷うことはないはずだということが一応考えられようが、実際の立法にあたってみ
ると、はたしてそのどちらを使ったらよいか、考えさせられることがすこぶる多い」
つまり、法文を書いている人も悩むことが多いようです。さらに、林氏は次のよう
に続けています。
「AもBも、Cのことをしてはならない、という場合に『A及びB』と書くか、
『A又はB』と書くかという問題がある。この場合は結局語感によってきめるほか
ないが、AとBを抽象的、包括的にとらえようとする場合は、『A又はBは、Cの
ことをしてはならない』とはせずに、『A及びBは、Cのことをしてはならない』
というようにする方の例が多い」
また、次のようにも書いています。
「・・・『又は』と『及び』の使い方は、結局は、語感とその場合場合に表現しよ
うとする規定の趣旨とをかみあわせて考えるほかなく、・・・確立した用例になっ
ているわけではない」
というように、語感や趣旨とのかみあわせで使われており、確立した用例ではない
ということですから、けんじさんのお悩みになったのもわかります。
イについては、つまり「宗教の教義を広めること」も、「儀式行事を行うこと」も、
「信者を教化育成すること」も、主たる目的としてはならない、ということです。
この場合、「及び」は「かつ」と同じだと解釈されます。
なお、このイの部分は、宗教法人法第2条の宗教団体の定義「宗教の教義を広め、
儀式行事を行い、及び信者を教化育成すること」から引用されてきたものです。
よって、基本的な解釈は、この定義に従うことになります。
より詳しく法令用語を調べたいという場合は、上記の「法令用語の常識」をお求め
になることをおすすめいたします。
シーズ事務局・轟木 洋子