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記事No 71
件名 Re: “登記上の理由から、役員のうち最低1人は日本国内に住所を持つ必要がある”のですか?
投稿日 : 2000/03/08(Wed) 12:40:00
投稿者 シーズ事務局(轟木)
参照先
あきさん、こんにちは。シーズのブックレットも読んでいただいているようで、ありがとうござ
います。

シーズのブックレット(NPO法人定款作成マニュアル)に「登記上の理由から、役員のうち最低
1人は日本国内に住所を持つ必要がある」とあるのは、マニュアルをつくる時に法務省民事局第
4課に聞いたところ、「登記の際に、法人の代表者が日本に住所を有していない場合は、登記の
申請を受理できない」との回答をいただいたことによります。

その時の理由は、「そのような法人は日本の法人とは見なせない」といった趣旨だったと思いま
す。(法務省民事局第4課は、法人登記を担当するセクションです)

今回もう一度、確認のために同課に問い合わせてみました。同課によれば、NPO法人においては、
理事が全員海外に住んでいる場合の登記に関しては未だ事例がないそうです。ただ、株式会社に
おいては、「代表取締役が日本に住所を有しない内国株式会社の設立の申請の登記は、受理でき
ない」との民事局第4課の見解が過去に出されており、NPO法人についても、それにならう可能
性が大きいとのことでした。

つまり、NPO法人における代表者である理事が全員海外に住んでいる場合には、登記の申請が受
理されないだろうとのことです。理由は明確ではありませんが、印鑑とか住民票とかいった登記
上の技術的な理由ではないようです。このため、残念ですが、現時点で役員の構成を変えない場
合は、あきさんの団体がNPO法人になるのは難しいのではないかということになります。理由に
ついては、さらに調べてみます。

なお、NPO法では役員が全員外国在住であることに制限がないので、NPO法人の認証を受けてから
登記申請が却下された時、NPO法を根拠に裁判で争うという方法もありますが…。

なお、法務省からこの件に関する見解を送ってもらいましたので、参考のために以下に掲載しま
す。

< 昭和59年9月26日民四第四、974号民事局第四課長回答 (昭和59年8月13日
東京法務局民事行政部長照会)>
●内国株式会社の代表取締役の住所について
(問)代表取締役が日本に住所を有しない内国株式会社の設立の登記の申請は受理すべきでない
と考えますが、いささか疑義がありますので何分のご指示をいただきたくお伺いします。
(回答)客月13日付け二法登一第二三八号をもって照会のあった標記の件については、内国株
式会社の代表取締役のうち少なくとも一名は日本に住所を有しなければ、当該登記の申請は受理
できないものと考えます。

< 昭和59年8月9日民四第四、109号民事局第四課長回答 (昭和59年6月27日
東京法務局民事行政部長照会)>
●外国会社の日本における代表者の住所について
(問)外国会社の日本における代表者の住所は、日本に定めなければならないものと考えますが、
いささか疑義がありますので、何分の御回示をお願いいたします。
(回答)本年6月27日付け二法登一第一八四号をもって照会のあった標記の件については、外
国会社の日本における代表者のうち少なくとも一名は、日本に住所を有する者でなければならな
いものと考えます。
 なお、これに反する外国会社の営業所設置の登記申請は、商業登記法第二十四条第六号により
却下するのが相当と考えますので、念のため申し添えます。

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