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記事No 8
件名 Re: ボランティア vs NPO
投稿日 : 2000/01/09(Sun) 03:11:00
投稿者 後藤  隆
参照先
丹さんへ

後藤@環境NPO研究会です。
ぼくがシーズブックレット他で勉強した理解によれば、ボランティアが、社
会奉仕のために無償で労働力を提供する行為、または個人を指す言葉であ
るのに対して、NPOは、まさにその名の通り「組織化」された団体を指
す概念であるということでしょうか。端的に言えば、ボランティアベースで
活動を続ける個人が、社会的な目的・ビジョン・ミッションを、より効果的
に達成するために組織化されたものがNPOなのでは。

丹さん>NPO法なるものが存在しない場合と存在する場合で、この違いは
丹さん>どのような形で現れるのでしょう・・

このご質問は1)NPO法が理想的な形(税制優遇含む)で存在する場合と、
2)NPO法が現行のままの不十分な形(税制優遇無し)で存在する場合と
で、答えが変わってくると思います。

前者の場合では、ボランティアベースで継続的かつ効果的な活動を続け、実
績があっても得られなかったさまざまな優遇が、NPO法人格の取得によっ
て得られますから、同じ公益性の高い活動をするにしても、その範囲や経費
などは大きく違ってくると思います。
しかし、後者の場合、つまり今のままのNPO法の下では、目に見える、もっ
と野暮な言い方をすると「お金の上での」違いはたいして現れてこないでしょ
う。例えば、社会的な信用が得られやすいとか、事務所を借りやすい、契約の
主体になりやすいとかの特典はあっても、やはり税制優遇とか、また、将来の
課題ですが郵便料金の優遇や事務所代の減免とかがないと、ボランタリー的集
まりの次元との違いが実感されないでしょう。

もっと本質的に言えば、NPO法の登場によって、従来やや不明確だったボラ
ンティア→組織化=NGOという図式が、外から見て明瞭になったという違い
もあるとは思います。でも、これは所詮「役所」や「産業界」「政治家」とか
が、外から市民活動、ボランティア、NGO、NPOを「判断」したり「規定
」したりする際の方便としては便利かもしれませんが、もともとNPO法は「
市民活動促進法」であるべきものなのですから、本来、法人格の有無にかかわ
らず、個人は個人として、組織は組織として自由に、時には補完しながら活動
していくことが理想ではないでしょうか。組織になるとやりにくいことって、
あると思いませんか。

ではまた。

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