記事No |
: 803 |
件名 |
: Re: 理事の辞任について |
投稿日 |
: 2002/02/12(Tue) 17:52:00 |
投稿者 |
: シーズ・轟木 洋子 |
参照先 |
: |
武居さま
お答えが遅くなりました。
ご質問について、シーズの運営委員で弁護士の浅野先生に以下のように返事をいただきました。
どうぞ、ご参考ください。
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NPO法にも、NPO法が準用している民法にも、理事の辞任に関する定めはありません。
理事とNPO法人との関係は、NPO法人を「委任者」理事を「受任者」とする、民法上の
委任関係と解されます。従って、原則としては理事はいつでも辞任をすることが出来ます
(民法651条1項)。
但し、完全に自由というわけではなく、次のような制約があります。
まず、NPO法では理事の人数は3人以上でなければならないと定められております。この
ため例えば3人しか理事がいないときに、そのうちの一人が辞任しすると法定数を欠くこと
になりますので、辞任の登記が出来ません。法人の内部的には辞任したことになっても、対
外的には登記上理事のままですから、第3者との関係では理事としての責任が残ることにな
ります。
この場合NPO法人としては、早急に新しい理事を選任し、その登記と同時に辞任した理事
の辞任の登記をすることになります。
次に、理事が委任者であるNPO法人のために「不利な時期」に辞任する場合には、辞任す
ること自体は自由に出来るのですが、その辞任によってNPO法人が損害を被ったときには
その損害を賠償しなければなりません(民法651条2項)。
但し、理事の辞任が、例えば病気などのやむを得ない事情によるものであるときは、損害賠
償責任はありません。
なお、どのような場合にNPO法人に損害を被らせることになるかは、ケースバイケースで
すが、実際にはその損害の算定はなかなか困難です。
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以上が、浅野先生からのお答えです。
なお、役員に関する変更については、所轄庁にも遅滞なく届け出る必要があります。
シーズ事務局・轟木 洋子