記事No |
: 104 |
件名 |
: Re: 理事の責任について |
投稿日 |
: 2004/09/23(Thu) 22:25:00 |
投稿者 |
: シーズ・轟木 洋子 |
参照先 |
: |
悩める理事さん、
お尋ねの件、シーズの運営委員で弁護士の浅野晋さんに聞いてみました。以下は、そ
の回答です。
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1、弁明の機会について
「弁明の機会」については、弁明する機会を与えればいいのであって、理事長がそ
の機会を使って現実に弁明するかどうかは関係ありません。弁明をしなくても、その
機会を与えていれば、弁明の機会を与えたことになります。
しかし、「機会を与える」ということからすると、その期日については、一応は理
事長の都合を聞いた方がいいかと思いますが、わざわざ理事長が出席するのが困難で
あると分かっている日(例えば何かの公用や、個人的の用事であっても日程を動かす
ことが困難な冠婚葬祭の予定日など)にぶつけたのでないかぎり、法人側で一方的に
その日程を指定しても差し支えないと解されます。
なお、定款では弁明の形態については定めがないようですから、書面による弁明で
も差し支えありません。
2、理事長がした法人の保証契約の有効性について
特定非営利活動促進法第30条は、民法第57条を準用しています。この民法第5
7条は、「法人と理事との利益相反する事項については、理事は代理権を有せず。此
場合に於いては前条(※)の規定に依りて特別代理人を選任することを要す。」と定
めています。
理事長の個人名での借入金について、当該NPO法人が保証人となることは、理事
長が弁済しないときには、保証人となったNPO法人が弁済しなければならないとい
うことですから、まさにこの「法人と理事との利益相反する事項」に該当します。従
って、理事長は当該NPO法人の代表者として保証契約書に記名捺印できません。こ
の場合、この条文にあるように特別代理人を裁判所に選任してもらうか、他の理事が
当該NPO法人の代表者として記名捺印する必要があります。
従って、その理事長が保証契約書に記名捺印していたとしたら、その保証契約は
無効であり、NPO法人には何らの責任もありません。
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以上です。
しかし、いずれにしてもサラキン業者との契約内容もはっきりわかりませんし、この
民法の条文だけをタテに問題が解決できるような性質の事柄なのかどうかも、わかり
ません。
対処方法などは、専門の第三者の弁護士の方などに相談するなどして、的確に対処す
る方が良いと思います。
※民法第56条(仮理事)
理事の欠けたる場合に於て遅滞の為め損害を生ずる虞あるときは裁判所は利害関係人
又は検察官の請求に因り仮理事を選任す
シーズ・轟木 洋子