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ニュース

2003年04月14日 10:00

行政 : 助成財団センターも提言発表

 約250の企業財団などからなる助成財団センターは、3月31日、「公益法人制度改革に関する助成財団からの提言」を発表した。新しい非営利法人に関する社会貢献性の判断は、第三者機関で行うことや、財団法人の利子・配当所得の非課税を求めている。

 

 助成財団センター(木村尚三郎理事長)は、1988年、助成財団の情報センターとして設立された。助成を求めている人や団体に、助成財団と助成プログラムの情報を収集し、提供することを目的に活動しており、現在、約250の会員財団等を持っている。

 今回の提言は、現在、政府が進めている公益法人制度改革に対して、助成財団の立場から提言を行ったもの。

 提言は、以下の3点から構成されている。

  • 登録法人認定における「社会貢献性のある事業の領域」の内容は第三者機関で検討をすることが必要。
  • 財団法人の基本財産等資産運用の利子及び配当所得は非課税が妥当。
  • 内部留保に関する基準の明確化と助成財団の事業継続に必要な内部留保金の確保するよう制度設計するべき。

 提言の全文は以下の通り。

公益法人制度改革に関する助成財団からの提言

平成15年3月31日
財団法人 助成財団センター
理事長 木村尚三郎

自然科学・社会科学分野の研究者や文化・芸術活動あるいは社会事業にかかわる多くの人たちへの資金助成を通じて、社会貢献に地道な努力を続けてきている助成財団の立場から、現在、政府の行政改革推進事務局と税制調査会の素案として報じられている公益法人制度改革案のなかで、新しい公益法人制度の根幹をなす「社会貢献性」の基準ならびに社会貢献性のある非営利法人に対する税制上の優遇措置に関して、次のとおり提言します。

1. 登録法人認定における「社会貢献性のある事業の領域」の内容は第三者機関で検討を

「社会貢献性」の内容は、税制上の観点ではなく、本来公益法人制度上の固有の問題として取り扱うべき問題であり、さらに制度運営上、恣意的な解釈を排除するために、客観的で明確な基準を示す必要がある。 現在、素案の中で「社会貢献性」の判断基準として取り上げられている法人の事業等の領域、事業の実績・運営実態、その他服すべき規律のうち、特に法人の事業等の領域については、(1) 非営利法人による社会貢献活動を促進することを指導理念として、(2) 人びとの価値観の多様化を反映し、(3) 客観的且つ具体的に示すことが必要である。

したがって、法人の事業等の領域の社会貢献性判断に関しては、米国の事例のように、法律で社会貢献性のある事業の大枠を規定した上で、事業の具体的な内容については、第三者機関において、広く有識者や研究者の意見を入れて検討し、国民の納得する内容を定めることが必要である。

2. 財団法人の基本財産等資産運用の利子及び配当所得は非課税が妥当

本来、財団法人の基本財産等の資産は、その運用によって、社会貢献事業を行なう資金を生み出す原資として保持する、という基本的性格をもつがゆえに財産に法人格が与えられている。この点で、財団法人の資産の運用収益は、金銭貸与業のように金利を得ること自体を目的とするものとは本質的に異なる。 当助成財団センターの会員220財団のうち、2001年度の年間助成金額の上位100財団は、資産総額で5兆25億円を保有し、年間で資産総額の2.9%に当たる146億円を助成金に充てているが、その年間収入総額386億円のうち、資産の運用益が44%、寄付金収入が27%を占めている。

現在、政府の超低金利政策のもとで、資産の運用収益が大幅に低下する中で、助成事業の原資の確保と助成事業の継続に多大の努力を払っている助成財団の現状から見れば、基本財産等の資産運用収入に対する課税(利子課税)は、助成財団の社会貢献事業の遂行を阻害するものである。助成財団の社会貢献活動を促進するために、基本財産等の資産運用の利子配当所得は非課税とするのが妥当である。

3. 内部留保に関する基準の明確化と助成財団の事業継続に必要な内部留保金の確保

公益法人の内部留保について、現在、政府税制調査会で検討が行われているが、公益法人の剰余金については、資本剰余金的なもの(基金的なもの)と利益剰余金的なもの(これを内部留保と呼ぶべきであろう)が混在しており、まず、何をもって「内部留保」とし、「内部留保額」がどの程度以上であれば「過度」と見なして規制するか、について公益法人会計の専門家や実務家を入れて、十分検討を行なって基準を決める必要がある。

現在の「公益法人の設立並びに運営に関する指導基準」のなかで計算される内部留保は、上記の利益剰余金に当たるものではなく、「手元流動性残高+規則で特定されたもの以外の投資額」を「内部留保」と見なして、この内部留保が年間経費(事業費+管理費)の30%を超えないよう指導が行なわれているが、この基準は、事実上の資産運用の規制となっている。

金融資産の運用益をもって事業費に充てている助成財団では、運用している金融資産の利金の支払いが年間1回ないし2回の特定の時期に集中することが多く、この基準を遵守すると事業費の支払いに支障をきたす事例が現実にある。また、配当所得をもって事業費に充てている助成財団等が、不況による配当率低下の影響で事業運営に支障をきたす事例も現れており、助成事業を安定的に継続するためには、年間経費の200%程度の余裕資金を持っていないと安心できないという意見もある。

したがって、助成財団の内部留保に関しては、収入の急激な減少があっても、相当期間事業を継続することができるよう、少なくとも2年分の事業費と管理費の総額に相当する内部留保金を保持することが認められてよい。

参考までに、米国で非営利団体の評価基準として定評のあるBBB Wise Giving Allianceの評価基準では、公益団体の社会貢献事業が、経済的理由により急激な事業の縮小や休止を生ずるのを避けるために、内部留保額の限度を年間事業費、管理費の総額の2倍以内は妥当としている。また、NPOに対して厳しいと言われているAmerican Institute of Philanthropyの基準を見ても、事業費、管理費合計の3年分の内部留保金は妥当な水準と判定している。

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