English Page

ニュース

2004年07月13日 10:00

行政 : 非営利WG、中間法人を統合の方針

 政府の「公益法人改革に関する有識者会議」の下に設置されている「非営利法人ワーキング・グループ」の第11回会合が7月7日に開催された。この会合で、創設される非営利法人の1階部分に関する総括が行われた模様だ。WEB上で公表された配布資料によると、新法人には中間法人を統合する方向で検討するとしており、残余財産を社員で分配することも可能な法人類型となる可能性が高い。

 

 7月7日に開催された「公益法人制度改革に関する有識者会議(以下、「有識者会議」)」の下部組織である「非営利法人ワーキング・グループ(以下、「非営利WG」)の第11回会合では、新非営利法人制度の試案が提示され、総括的な議論が行われたようだ。

 7月9日にWEB上で公開された配布資料によると、討議されたのは非営利法人制度の「1階部分」(※)のみ。2階部分は有識者会議で検討中であるとして、今回の資料では触れられていない。

※ 新非営利法人は、準則主義で設立できるようになる一方で、その中から「公益性」があると判断される法人には何らかの優遇措置が与えられる、といういわゆる「2階建て」方式の制度になるとされている。

 試案では、新非営利法人を「社団形態の非営利法人」と「財団形態の非営利法人」とに分けて規定。

 「社団形態の非営利法人」の定義は、「剰余金を社員に分配することを目的としない社団」とされ、社員の権利義務の基本的要素は、1)出資義務を負わない、2)利益分配請求権を有しない、3)残余財産分配請求権を有しない、4)法人財産に対する持分を有しないこと、の4点。

 NPO法ではっきりと禁止されている、社員による残余財産分配禁止規定が盛り込まれるかどうかが注目されてきたが、「剰余金」の分配のみが禁止されることで、結果として、解散時の残余財産を社員で分配することが可能な類型とされている。

 3月31日に有識者会議が発表した「議論の中間整理」では明言を避けていたが、このたびの資料では、このような性質から「中間法人制度と統合する方向」で検討をすすめるとしている。

 試案によると、残余財産の社員への分配は、定款や社員総会での決議により可能となることが明記された。今後の焦点は、この「残余財産分配可」の法人と、「残余財産分配禁止」の法人とを法制上明確に区別するかどうかに移ることになる。

 残余財産の帰属先を、定款や社員総会の決議により変更できるようにしてしまう点については、「寄付者を含む一般市民の信頼を裏切ることになる」などと多くの批判が寄せられていた。

 しかし、法制上区別すべきだという指摘に対しては、「法人法制上、公益性を要件としない法人において、上記の指摘にかかる類型を別途設ける制度的な理由はどのような点にあるか、また、仮に、当該定款又は社員総会の決議の内容に制限を設けたとしても、準則主義の下で当該制限の実効性を確保することができるのかなどの点を踏まえ、検討する」という注釈がつけられており、先行きは不透明だ。

 このほか、最低社員数を1人もしくは2人とすること、拠出型非営利法人類型を設けること、社員による代表訴訟制度の導入や差止請求権を認めることなどが盛り込まれている。

 「財団形態の非営利法人」で、「公益性を要件としない」法人類型を設けるかどうかについては、なお「検討する」と確定的な表現は避けられた。中間整理でも創設の適否自体を検討するとしていたが、結論はでなかったようだ。

 試案では、創設した場合のガバナンスや基本財産についての規定の詳細が提示された。財団型には、設立時に一定規模以上の基本財産を備えなければならないことになると見られるが、その額は未定。会社制度の最低資本金の額を参考にするという。

 また、目的や事業内容には、公序良俗に反しない限り制限を設けないものとするか、これに加え一定の制限を設けるかは検討中とされた。

 「1階」部分の財団が認められないとすると、「政府の定義する公益性の定義に漏れた財団は解散しかない」、「制度改革の大前提である公益性の有無を問わず準則主義で法人を設立できるという趣旨に反し、論理の展開に矛盾が生じる」などの批判が寄せられていた。

 試案でもこの点が考慮され、「一定の設立者意思に従った活動が制度的に尊重されるタイプの法人制度を設けることに意義がある」と前向き。ただ、「家族世襲財団」や債権者を害する目的で設立される恐れがあるなど制度の乱用が危惧されており、これらが目的や事業内容の制限要件に加えられるかどうかも注目される。

 今回の試案は、7月15日に開催される有識者会議の議論にも反映されると見られる。15日の有識者会議では、これまでの議論を総括し、制度の「青写真」が提示されると見られており、その内容が注目されている。

 「非営利法人(仮称)制度の創設に関する試案(その1)」の詳細は、以下のURLの「非営利法人WG」の「第11回会合(平成16年7月7日)」の「資料19」から見ることができる。

 http://www.gyoukaku.go.jp/jimukyoku/koueki-bappon/yushiki/

ページ上部へ戻る

MAILMAGAZINE

NPOに関する制度の最新情報、シーズのイベントや最近の動向など月2回配信しています。 認定NPO法人シーズのメールマガジン登録ご希望の方はこちらから

contact

特定非営利活動法人
シーズ・市民活動を支える制度をつくる会

〒108-0014
東京都港区芝四丁目7番1号 西山ビル4階
※2021年4月1日より、新住所へ移転しました。シェアオフィスでシーズスタッフは常駐していません。ご連絡は電話・メール等でお願いいたします。

TEL:03-5439-4021
FAX:03-3926-7551
E-mail:npoweb@abelia.ocn.ne.jp
ホームページ:http://www.npoweb.jp/

事務所地図・交通アクセス

  • 東京都「認定NPO法人取得サポート」
  • NPO法改正&新寄付税率
  • 震災支援情報
  • 認定NPO法人になるための運営指南