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2004年11月26日 10:00

行政 : 自民党、税制改正要望決定

 自由民主党の非営利組織(NPO)に関する特別委員会(委員長:加藤紘一衆議院議員)は、11月25日、来年度の税制改正要望に関してNPOからヒアリングを行った。このヒアリングを受け、NPO特別委員会では、認定NPO法人制度の要件緩和等を求める要望書を決定、自民党税制調査会に提出した。

 

 11月25日午前8時半より自民党本部に於いて、非営利組織(NPO)に関する特別委員会(以下「NPO特委」)が開催された。NPO特委は、自由民主党政務調査会の下につくられた委員会。委員長は加藤紘一衆議院議員、委員長代理は熊代昭彦衆議院議員が務める。

 委員会では、平成17年度の税制改正に向けて、認定NPO法人制度に関するNPO団体からのヒアリングを行われた。

 自民党からは、加藤議員、熊代議員など27名の国会議員や秘書が参加。内閣府の担当者も出席し、ヒアリングにはシーズ=市民活動を支える制度をつくる会、アビリティクラブたすけあい、ピースウィンズ・ジャパン、所沢市学童クラブの会など9団体が参加した。

 ヒアリングでは、最初に、シーズの松原事務局長が、NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会がとりまとめた要望書と署名を提出。全国から改正を求める声があがっていることを報告した。

 続いて、出席したNPOからは、パブリックサポートテストの要件緩和や単年度主義の撤廃、共益的な活動の制限に係る要件の緩和など、認定NPO法人制度要件緩和の要望が次々に出された。

 このヒアリングをうけて、NPO特委では、認定NPO法人制度の認定要件緩和などを盛り込んだ「平成17年度税制改正要望事項」を決定。同日、自民党税制調査会に提出した。

 来週から開かれる同調査会で、このNPO特委の要望をベースに、認定NPO法人制度の要件緩和などが議論される予定だ。

 決定した税制改正要望は以下の通り。以下、全文を掲載する。


平成17年度税制改正要望事項

自由民主党

非営利組織(NPO)に関する特別委員会


第1.認定NPO法人関係(所得税、法人税、相続税、法人住民税、法人事業税)

1.認定要件の緩和について

(1)パブリック・サポート・テスト(以下、PST)の要件緩和

  1. 特定非営利活動からの事業収入については、PSTの分母から除外する。
  2. 国・地方公共団体、国際機関、公益法人、認定NPO法人、特殊法人または独立行政法人からの補助金・助成金・委託事業費については、PSTの分母・分子の両方に全額算入する。
  3. 社員からの会費に関しては、総会での議決権は会費の反対給付とはみなさないこととし、対価性のない社員からの会費部分として、PSTの分子に算入できるようにする。
  4. PSTの計算において、寄附者の親族からの寄附に関して、とりまとめて「一者からの寄附」として計算する要件を、一定数以上の寄附者がいる場合には、適用しないこととする。

(2)単年度主義の撤廃

  1. 従前の2事業年度ともにPSTを満たすという要件を緩和し、2事業年度の合計でPSTを算出することとする。
  2. 再認定(更新制度が導入された場合は更新の認定)の場合は、4事業年度の合計でチェックする方法に変更する。
  3. この単年度主義の撤廃に関しては、PSTだけでなく、共益的活動の制限や事業活動の適正性に関する要件にも適用することとする。

(3)共益的な活動の制限に係る要件の緩和

  1. 全体の事業活動のうち、自らの会員等を対象に行う共益的な活動の占める割合を50%未満とする要件について、対象となる会員等の範囲の見直しなどにより、共益的な活動に係る制限を緩和する。
  2. 特定者や特定の著作物の普及・宣伝活動に関する制限があるが、これを撤廃する。

(4)役員・社員の親族要件等の緩和

  1. 親族等や特定の法人の従業員等の役員・社員に占める割合に関する制限を課すのは役員に限定し、社員に関しては親族等や特定の法人の従業員等の割合の制限を加えないこととする。
  2. 親族等の範囲に「役員(社員)と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者」も入っているが、これは削除する。(他の要件でも親族等の範囲から削除する)

2.申請書類・報告書類の改善・緩和

(1)寄附者名簿等の公開措置の緩和

  1. 認定申請の際に必要な書類及び認定後の報告書類のうち、20万円以上の寄附者の氏名、住所、寄附金額等を明らかにした書類については、税務当局への提出にとどめ、一般の閲覧対象から外すなど個人情報保護への配慮を行う。
  2. 個人情報保護の観点から、役員・従業員の給与に関しては、全員の給与を公開することとなっているが、金額の多い順に上位5位までの者に限定する。

(2)申請書類・報告書類の簡素化

  1. 小規模の法人のために、手続き面での負担軽減の観点から申請書類および報告書類を簡素化する。
  2. 申請書類を明確に限定し、申請書類以外の書類に関しては、原則的に提出しないでよいこととする。
  3. 事業報告書等の提出書類のうち、居住行政区別の会員数に関する書類など、認定要件とは関係ない書類については、廃止する。

(3)所轄庁の証明書の撤廃

 所轄庁による法令等の違反がないことに関する証明書の添付を廃止する。

3.認定の有効期間の延長および更新制度の導入

 認定有効期限を2年から5年と延長する。また、2事業年度毎の報告書において要件を満たしていれば自動更新できるようにする。

4.審査期間の明確化

 認定申請後の審査期間を3ヶ月以内と明確に定める。

第2.公益法人を含む非営利組織(NPO)全般の活動を支援するための税制の改善

1.認定NPO法人及び特定公益増進法人に対する寄附金等への特例措置の拡大(所得税、法人税、個人住民税、法人住民税、法人事業税)

(1)みなし寄附金制度の控除枠の拡大

 現在、所得金額の20%を限度としているみなし寄附金制度の控除限度額を50%に引き上げる。

(2)国税における寄附控除枠の拡大

  1. 個人が寄附をした場合の寄附金に関しては、控除対象額の計算において1万円の足切りがあるが、これを撤廃する。
  2. もしくは、年間の寄附金額が1万円以下の寄附者の場合は、税額控除を選択できることとする。
  3. 法人寄附者については、寄附金の損金算入限度枠を所得の5%にまで拡大する。

(3)地方税における寄附金控除制度の適用

  1. 個人住民税の課税所得の計算において、寄附金を国税と連動して控除できるようにする。
  2. 地方税における寄附金控除の10万円の足切りを撤廃する。

2.特定公益増進法人制度の改善(所得税、法人税、相続税、法人住民税、法人事業税)

(1)認定期間の延長 2年→5年

(2)認定基準の客観化及び明確化

(3)認定基準及び手続きの改善

  1. 認定基準自体を改善し、分りやすく法定化するとともに、情報を十分公開する方策を講じる。
  2. 申請書類の統一化と簡素化
  3. 審査期間の短縮

     (ア)新規6ヶ月以内

     (イ)更新3ヶ月以内

     (ウ)不決定の場合は、文書によりその理由を交付

     (エ)法令の解釈の統一

3.その他の民法公益法人(財団法人及び社団法人)に寄附金控除制度を創設(所得税、法人税、相続税、法人住民税、法人事業税)

 認定NPO法人と同一の基準で認定民法公益法人を決定し、認定NPO法人と同様の寄附金税制を創設する。

第3.関係部会からの要望項目

(1)国際ボランティア貯金の寄附金充当分の利子非課税措置の創設(総務部会)

 国際ボランティア貯金にかかる寄附金充当分の利子について非課税とする。

(2)パブリックサポートテスト要件の緩和等、介護・子育て支援サービス事業を行うNPO法人に関する法人税、事業税等の支援を拡充する。(厚生労働部会)

(3)新たに水防活動を行うこととなる水防管理者から指定された水防協力団体(仮称)等水防活動に係る組織に対する寄附金について、別枠損金算入等の優遇措置を講ずる。(所得税、法人税、相続税)(国土交通部会)

 新潟・福島豪雨及び福井豪雨による人命及び財産等への甚大な被害の状況等を踏まえ、水災に因る被害の軽減に資する災害情報の提供の充実及び自助、共助、公助のバランスの取れた水災防止体制の確立等により地域の水災防止力の向上を図るため、水防協力団体(仮称)等に対する寄付金について税制上の優遇措置を講じることにより、水災防止体制の整備の促進を図るものである。

(4)観光地域振興機構(仮称)(略称:ATA(エリア・ツーリズム・エージェンシー))が行う観光による地域振興施策を支援する。(国土交通部会)

  1. ATAに対する土地等の譲渡所得について1500万円特別控除を適用する。(所得税、法人税)
  2. ATAが特定の固定資産を取得する際に係る不動産取得税の課税標準につき土地価格の1/5を控除する。(不動産取得税)
  3. ATAが特定の固定資産を所有する際に係る固定資産税・都市計画税の課税標準につき取得後5年間1/2とする。(固定資産税、都市計画税)

 国際競争力のある観光地づくりを成功ささえるためには、地域の統一的な観光地づくり戦略のもとで、官民が総合的・一体的な取組みを行うことが重要である。その一環として、民間を主体とした観光地域振興機構(仮称)が同戦略に沿って行う観光による地域振興施策を支援し、外国人観光旅客にとっても魅力のある観光地づくりを推進し、もって訪日外国人旅客数を増加させる。

※ ATAは、次期通常国会に提出を予定している、外国人観光客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律による改正後の同法に規定し、市町村の策定する「観光地域振興構想(仮称)」に位置付けられた法人。

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