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2007年の報告

2007年08月29日 16:19

「NGOファンドレイジングフォーラム」報告

 2007年3月14日、JICA国際協力総合研修所(東京・市ヶ谷)にて、『NGOファンドレイジングフォーラム ~ファンドレイジングに強い組織をつくる~』(主催:外務省、企画運営:シーズ=市民活動を支える制度をつくる会)が開かれた。

 日本ではなかなか寄付が集まらないという声が聞かれる一方で、寄付者からしっかりとした信頼を受け、確実に寄付を集めているNGOの違いは何か。今回は特に「組織」に焦点を当て、ファンドレイジングに強い組織はどういう組織なのか、どういう取り組みが必要かという点を中心に議論が行われた。

 定員を超える約70名のNGO関係者が集まり、会場は熱気に包まれた。

 冒頭、外務省国際協力局民間援助連携室の寒川富士夫室長は開会挨拶で、「日本のNGOの財政基盤が弱いことは課題の一つ。社会貢献に資する活動をするNGOが管理、運営能力を高め、国際NGOとして発展してもらえることを切に願っている。」と述べた。

 キーノートスピーチでは、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事の片山信彦氏が、「ファンドレイジングに強い組織をつくるには」をタイトルに、組織全体として心がけていること、ファンドレイジングへの意識を団体として持つこと、そしてファンドレイズに取り組んできた具体例や支援者に満足してもらえるためのポイントを挙げた。

 そして、ファンドレイズには王道はなく、全部署の地道で誠実な日々の活動による信頼こそがファンドレイジングにつながること、組織としてスタッフ全員がミッションの共有をすることが大切である点にも言及した。

 続いて、パネルディスカッション「組織のファンドレイジングをどう改革するか」が行われ、キーノートスピーチに続いて、片山信彦氏(特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン)、岩船雅美氏(社団法人シャンティ国際ボランティア会)、鹿島美穂子氏(特定非営利活動法人難民支援協会)、栗田美由紀氏(特定非営利活動法人ソムニード)がパネラーとなり、コーディネーターは松原明(シーズ=市民活動を支える制度をつくる会事務局長)が務めた。

 パネルディスカッションでは、組織全体でファンドレイジングに取り組むための課題について論点となった。

 岩船氏は、「社団法人シャンティ国際ボランティア会は、1981年に活動を始め、タイ、カンボジア、ラオス、アフガニスタンの4カ国で40万人の子どもに教育機会の提供を行っている。片山氏の講演を聞き、組織づくりがファンドレイジングに重要であることを再認識した。NGOのスタッフは、給与や待遇よりも『何かしたい』というもモチベーションで参加している人が多い。スタッフのハピネス(幸せ)が果たされる環境は、支援者のハピネスを追求でき、そして、現地の活動へのハピネスにつながり、この3方向のハピネスがファンドレイジングには重要である。」と述べた。

 鹿島氏は、「特定非営利活動法人難民支援協会は、日本に逃れてきた難民を支援している団体で、1999年に活動を開始した。片山氏の、募金をミッションの一つに掲げ、とかく受益者に関心が向かいがちであるところを、いかに支援者に関心を向けていくかという姿勢が勉強になった。現在13名のスタッフを抱え、組織が大きくなるにつれて情報共有の困難さを実感している。今以上の支援者獲得のために、裾野を広げ、もっと外に目を向ける努力をしたい。」と述べた。

 栗田氏は、「特定非営利活動法人ソムニードは、岐阜県高山市に事務所を置き、1993年から、南インドを中心に農村部の貧困層、都市スラムの自立支援を行っている。現地での活動が評価されて1996年頃から忙しくなり、国内でのファンドレイジングに取り組む時間が不足した。今後は海外事業も、国内のファンドレイジングも同様に大切であることの認識を強くしていきたい。」と述べた。

 議論は、支援者満足度を高めるための取り組みに移り、パネラーそれぞれの取り組みが紹介された。

 岩船氏は、「支援者満足にはアカウンタビリティなどの『脳』に訴えるものと、『ハート』に訴えるものの2つにより図られる。」と述べた。鹿島氏は、「支援者への対応は、支援者毎の支援履歴に合わせた礼状の送付を行っている。」とし、栗田氏は、「支援者には、インドから手紙を出すなどの工夫をしている。」と述べた。

 支援者との関係構築について、片山氏は、「コミュニケーションとセグメントがキーワードであり、支援者の声をどれだけ聞けるかかという点と、対象者にあわせた報告を送付することがポイント」と述べた。

 パネルディスカッションの後、会場との質疑が行われ、支援者の参加の機会の提供や、寄付金の間接経費などの議論が行われた。

 最後に、コーディネーターの松原は、「一つの団体が頑張るだけでは日本の寄付を大きくできない状況にある。お互いがそれぞれ学びあい、情報交換する機会がないと、個別の組織も強くならないと感じている。NGOも企業と同様、他団体とのコミュニケーションを図り、ノウハウと共有して、セクター全体で強くなる時代になりつつある。

 寄付文化を大きく育て、支援者満足度が実感できるような社会にしていきたく、シーズは今後もこの課題に取り組んでいきたい。」と締めくくった。

文責:シーズ 田中康文、鈴木歩

2007.03.29

【設立のご報告】
皆さまのご支援のおかげで、寄付文化の革新を目指す「日本ファンドレイジング協会」を、全国47都道府県の580人の発起人・360人の当日参加者の方と共に、2009年2月18日設立できました!
ご参加・ご支援ありがとうございました!

日本ファンドレイジング協会に関する今後の情報は、「日本ファンドレイジング協会オフィシャルブログ」をご覧ください!

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